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病理部

診療内容の御紹介

病理部は、臨床医とともに病理・細胞診断を通して患者様に尽くそうとする集団です。外科出身の病理医とスタッフ全員が総力を挙げて迅速かつ正確な報告ができるように日々努力しています。現況とおもな業務内容を紹介します。

  1. 現況 2008年度の細胞診断件数は6624件、病理組織診断件数は5307件で、生検材料の病理組織検査(2849件)と術中迅速診断(563件)の増加が目立ちます。また、免疫組織検査も508件と増加、2006年度から自動免疫染色装置を導入し、病理診断の精度向上に努めています。
  2. おもな業務内容
    1. 病理組織診断 内視鏡検査、婦人科、整形外科、皮膚科などで採取した生検材料や、手術で摘出された腫瘍などが対象となります。一般的には、ホルマリン固定、脱脂、脱水、パラフィン包埋後、2ミクロン(1000分の2ミリ)に薄切りしガラスに貼付け染色。出来上がった標本を病理専門医が顕微鏡で観察し、診断します。通常のヘマトキシリンエオジン(H.E.)染色だけでは判断し難い症例では、特殊染色や標本上で抗原抗体反応を起こし細胞の詳細を検索する免疫抗体法を行い、診断します。悪性リンパ腫における亜分類、腫瘍原発推定、乳癌治療で必須な情報であるエストロゲンレセプター、プロゲステロンレセプター、HER2/neuタンパクの検出もこの方法で行います。
    2. 細胞診断 尿や喀痰などの体液、子宮頚部、内膜などの剥離細胞、乳腺穿刺細胞、胸水、腹水などが対象となります。これらをガラスに塗抹、パパニコロウ染色後に顕微鏡で観察してがん細胞の有無、炎症の程度を細胞検査士と細胞診専門医が判定、診断します。消化器系、婦人科系腫瘍切除術中に提出された腹腔洗浄細胞診で良悪性の鑑別が困難な細胞が見られた場合、免疫細胞学的検索を追加し、より正確な報告を目指しています。
    3. 術中迅速診断 腫瘍が悪性か良性か、リンパ節に転移がないか、腫瘍が取りきれているかなどを手術中に行う検査です。病理組織診断は通常、結果がでるまで早くても1-2日を要しますが、凍結切片作製という特殊な技術を用い、約15分で結果を報告します。さらにほぼ全症例を対象に捺印細胞診を併用し、診断精度向上に努めています。
    4. 病理解剖関連業務 不幸にして亡くなられた患者様の生前の御意志やご家族の承諾のもとに行われます。死因、どのくらい病気が進行していたか、治療の効果などを明らかにします。後日、臨床医と病理医による臨床病理検討会(CPC)により詳細な検討が行われ、最終的な病理診断が公表されます。
    5. 病理部オーダリングシステム 5年前からオーダリング端末画面上での迅速な結果確認と、病理診断のポイントとなる顕微鏡画像の供覧が可能になりました。病理診断内容をわかりやすく提供するように努めており、患者様にもより一層の御理解をいただけるものと考えております。

これからも可能な限り迅速かつ正確な報告ができる様、病理部スタッフ全員が総力をあげて努力して参りますので、今後とも宜しくお願い致します。

スタッフ一覧

役割 職種 氏名 兼務・所属 資格
部長 教授 榎本克彦 病理病態医学 教授 病理認定医
副部長 准教授 南條 博   病理専門医
外科認定医
細胞診専門医
主任   伊藤 智   臨床検査技師
細胞検査士
    鈴木世志子   臨床検査技師
認定輸血検査技師
    佐藤かすみ   臨床検査技師
細胞検査士
    川村 学   臨床検査技師
細胞検査士
  医療系補佐員 渡部清香   臨床検査技師
  技能系補佐員 佐藤真知子    

主な設備あるいは検査等可能な項目

  1. おもな病理検体提出科 消化器内科、血液内科、肝胆膵外科、呼吸器外科、食道外科、乳腺甲状腺外科、脳神経外科、心臓血管外科、小児外科、産婦人科、耳鼻科、泌尿器科、皮膚科、整形外科、歯科口腔外科
  2. おもな細胞診検体提出科 産婦人科、泌尿器科、呼吸器外科、乳腺甲状腺外科、呼吸器内科、老年内科、肝胆膵外科、消化器内科
  3. 病理学的検査件数実績
病理組織 細胞診 迅速診 剖検 免疫染色
2003年度 4769件 5925件 579件 50件 362件
2004年度 4869件 5965件 536件 48件 351件
2005年度 5101件 6116件 571件 45件 559件
2006年度 4930件 6323件 516件 40件 562件
2007年度 5042件 6454件 566件 43件 558件
2008年度 5307件 6624件 563件 48件 508件
組織件数内訳
年別件数推移グラフ
すでに導入し、今後も効果が期待される検査

1) 乳がんセンチネルリンパ節微小転移検索を目的とした迅速免疫細胞化学的診断

診断:

5年前から手術中に行う迅速診断に於ける乳がんのセンチネルリンパ節微少転移検索のために、組織診断と同時に細胞診断、さらに免疫細胞化学的に上皮細胞マーカー(サイトケラチン)を反応させ精度の向上を目指しています。

迅速免疫細胞化学的診断の例

2) 分子標的治療関連蛋白検索

話題の分子標的治療を目的とした遺伝子蛋白の免疫組織学的証明を行います。

i) HER2/neu: 対象は乳癌。

ii) EGFR 対象は大腸癌と肺癌

3) 尿細胞診における免疫細胞化学的診断

主に腎移植後拒絶反応起因の1つとされるポリオーマウイルス検出を目的として免疫細胞化学的検索を併用しています。

尿中に出現した感染細胞。茶色に着色されたウィルスが細胞に充満している

4) 遠隔病理コンサルテーション

遠隔病院病理組織診断に関する意見交換を瞬時に行うことができるシステムを昨年導入し、2008年度実績として、男鹿市、仙北市内の病院を対象に計4回、術中迅速診断が行われ、3例の癌を診断しました。また、病理組織標本取り込み装置を用いてデジタル化した画像(バーチャルスライド)は、当院の症例検討会で汎用されています。近い将来、院内電子カルテ上でのデジタル標本の閲覧も可能になると考えられます。

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