- 蛋白尿など検尿異常のあるもの
- 血液検査で腎機能が低下しているもの
- 画像検査(エコーやレントゲン,CTなど)で腎臓の形や大きさに異常があるもの
これらのいずれかを3ヶ月以上もっている方を「慢性腎臓病(CKD)」としています。
これはとても簡単です。
たとえば,2年続けて検診で蛋白尿が陽性だった方,血清クレアチニン(腎機能を知るための血液検査)が異常だった方,生まれつき片側の腎臓が小さいと言われている方,みなさんCKDです。
そして,CKDはかなり多いことが知られています。
何と,日本の成人の約13パーセント,1,330万人がCKDであると推計されています。
しかしながら,多くの方は自分がCKDであることに気付きません。病院を受診している方はほんのわずかです。
なぜならば,CKDは自分ではなかなか気付かないからです。
腎臓には痛みの神経は走っておりません。病気になっても痛くもかゆくもありません。熱も出ません。体重が減ったりもしれません。
慢性腎臓病で自覚症状が現れるのは末期になってからです。
透析が必要になる直前で初めて症状が現れます。具体的には,吐き気,食欲不振,胸が苦しい,息苦しい,などです。
私はこれまで受診したら,既に透析療法が必要な慢性腎臓病患者さんを数多く見てきました。
慢性腎臓病は,症状が出ません。しかし,確実に進行していきます。
できるだけ,早い段階で発見して治療させていただきたいのです。
さらに,慢性腎臓病があると
- 慢性腎臓病があると脳卒中になりやすい(秋田弁で言うところの「あたりやすい」)
- 慢性腎臓病があると心筋梗塞や狭心症になりやすい
- 慢性腎臓病があると寿命が短い(正確には,「死亡の独立した危険因子」)
ということが世界的な統計で,はっきりと結果が出ています。
何度も書きますが,慢性腎臓病は症状は出ませんが,確実に進行していきます。
できるだけ,早い段階で発見したいのです。
続きます。読んでいただける方は次のページをクリックしてください。文責: 奥山 慎