医療従事者向け

緊急性の高い病態

2014/03/11

下記の場合には,早めの専門医紹介をお願いいたします。

  1. 蛋白尿血尿,血清クレアチニン上昇(もともとクレアチニンは正常だった),CRP上昇,原因不明の発熱を伴う場合

    急速進行性糸球体腎炎(RPGN)が疑われます。直ちに腎生検を行い,ステロイドを中心とした免疫抑制療法が必要です。

  2. 急性発症のネフローゼ症候群

    急性発症のネフローゼ症候群は,微小変化型ネフローゼ症候群が多いのですが,血栓傾向が増大して,稀ではありますが肺塞栓を伴うことがあります。急性発症の問診は,「いつからむくみましたか?」と聞きます。「昨年の冬から」とか「1ヶ月前から」ならば急性発症の可能性が低いです。微小変化型の場合には,「いつからむくみましたか?」と聞けば,「○月○日から」とはっきり答えてくれます。

  3. 急激な血清クレアチニンの悪化(急性腎障害)

    もともと血清クレアチニンがほぼ正常,あるいは軽度の腎機能障害だった患者さんの血清クレアチニンが2倍以上に上昇した場合です。原因は必ずしも腎臓ではないかもしれませんが,その原因検索も含めて早めに対応する必要があります。