地域で輝く総合診療医を目指して

医師不足の秋田県に医療で貢献するためには?

私が総合診療に興味を持ったきっかけは、中学3年の時に秋田県の医師不足のニュースを見たことです。秋田県出身の私はそのとき「なんでも診れる医師がいれば、医師不足が問題となっている地域医療に貢献できるのではないか?」と単純に考えました。その後生まれ育った秋田県の医学部に進学し、県内で初期研修を終え、まだ志す人の少ない総合診療の道に進むことを不安に感じつつも、初志貫徹しようと思い、総合診療専門研修を開始しました。

地域で実際働いて考えたこと

まだ医師としての経験年数は少ないですが、秋田県内の総合病院で働いてみて実感したことがあります。それは、高齢患者の多さ、そして急性期疾患だけでないトータルマネジメントの必要性が高いことです。現在、高齢化はどこでも問題になっていますが、特に秋田県は世界的にも群を抜いて高齢化率が高い地域です。県庁所在地である秋田市から離れるとますます高齢化は進み、今私が勤務している男鹿みなと市民病院では入院患者さんのほとんどは80歳以上の方です。

高齢者は複数の慢性疾患の管理だけでなく、感染症などの急性病態による急な入院、身体機能や認知機能の低下による介護必要度の増加、人生の最終段階に向けての終末期医療など、対応すべき問題は多岐にわたります。各疾患それぞれを領域別専門医に任せるとなると、受診する診療科の数は膨大となります。また,終末期や介護の問題などは、いったいどの診療科が責任を持って診ればよいのでしょうか。健康問題の1つ1つにそれぞれ目を向けていると、このように困ったことが起こります。

地域だからこそ活躍できる総合診療医

総合診療医は、臓器や機能で区別せず、あらゆる健康問題を診ることができます。病気だけではなくその人自身を診ます。高齢者が多い地方でこそ、領域別専門医が不足しがちな地方こそ、「その人全体を診る」総合診療医が求められるのではないかと私は思います。

「この患者さんが住み慣れた地域で幸せに暮らしていくためには、何が必要か?」

という視点をもって診療に臨めば、きっと目の前の患者さんの笑顔につながるはずです。地域のみなさんの健康,そして笑顔を支えることが、地域医療への貢献になると私は信じています。

秋田大学 アカデミック総合診療医 育成プログラム 専攻医
男鹿みなと市民病院
髙橋 琴乃

※所属は掲載当時のものです