移植医療において、提供者(ドナー)と患者(レシピエント)の免疫学的な相性は,HLA(Human Leukocyte Antigen)によって決まります。この相性を組織適合性といいます。HLA分子の組み合わせは両親から遺伝的に受け継いだ染色体ハプロタイプを反映しています。HLAのハプロタイプには人種性、民族性、地域性がありますが、単一民族であるわが国でさえも組織適合性が完全合致する割合はおおよそ10万人に1人とされています。また、グローバル化が進む現代においては日本人HLAだけでなく広範囲に組織適合性を評価することも求められ、その一致率は今後ますます多様化することが予想されます。
当センターでは,臓器移植希望者のHLA型検査ならびに移植前後の抗HLA抗体検査を行っています。また、直接クロスマッチ試験用血清を自施設保管するとともに特定移植検査センターへ献体送付も行なっています。
2011年よりLuminex®システムの導入、フローサイトメトリの導入を経て、幅広い移植検査体制の整備を進めています。そして,秋田県内の移植医療をサポートし,移植成績の向上に貢献することを目指します。
自動DNA抽出装置
サーマルサイクラー(核酸増幅装置)
LUMINEX®システム
献腎移植登録者HLA型検査件数 | 県内登録更新者血清保管検体数 | 県外登録更新者血清保管検体数 | |
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2006年度 | - | 33 | 249 |
2007年度 | - | 85 | 710 |
2008年度 | 5 | 83 | 706 |
2009年度 | 6 | 83 | 685 |
2010年度 | 8 | 77 | 664 |
2011年度 | 4 | 75 | 642 |
2012年度 | 3 | 70 | 598 |
2013年度 | 1 | 65 | 552 |
2014年度 | 0 | 60 | 581 |
2015年度 | 3 | 60 | 590 |
2016年度 | 2 | 57 | 583 |
2017年度 | 2 | 33 | |
2018年度 | 4 | 31 | |
2019年度 | 4 | 29 | |
2020年度 | 6 | 28 | |
2021年度 | 3 | 28 |
平成30年4月1日より、全ての臓器移植後の抗HLA抗体(スクリーニング検査)及び抗HLA抗体(抗体特異性同定検査)の測定が保険診療となりました。
審査にあたり、当院は以下の施設基準を満たしています。
ア 区分番号「B001」の「25」移植後患者指導管理科(臓器移植後の場合に限る)に関する施設基準の届出
イ 関係学会による指針を遵守した抗HLA抗体検査の実施
髙橋 直人 | |||||
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役割 | センター長 | 職種 | 教授 | 専門領域 | 血液疾患 |
奈良 美保 | |||||
役割 | 副センター長 | 職種 | 講師 | 専門領域 | 血液疾患 |
藤山 信弘 | |||||
役割 | 副センター長 | 職種 | 講師 | 専門領域 | 移植免疫 薬物動態 |